技術情報

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老朽化のり面の補修・補強対策工事

ニューレスプ工法

発注者からの課題

 このモルタル吹付法面は、先に実施された調査で、老朽化が顕著で対策の緊急度が高いと指摘されたため、法面の補修・補強工事が計画された。
 発注者側での検討の結果、法面の補修・補強対策として、既設コンクリートをはつり取らずに、施工の省力化、産業廃棄物の抑制、安全性の向上、工期短縮が図られる工法で、しかも風化していない地山と新規の補修・補強工を一体化させる施工法が望ましいとの要望があった。

施工前

日特建設の提案

 発注者からの課題等をクリアできる施工法として、今回、せん断ボルト・ロックボルト・繊維補強コンクリート吹付・空隙注入により、法面を補修・補強するReSP工法(レスプ工法)を提案し、採用された。 

 これまで、ReSP工法ではモルタルに混入する繊維として、鋼繊維を採用していた。しかし、吹付方式としては特殊な「ポンプ圧送エア併用方式」を用いなければ材料圧送ができず、さらに、繊維の分散性や吹付け用ホース内での材料分離、吹付時の跳ね返り等の問題を抱えていた。そこで、一般的な吹付方式である湿式エア吹付方式にも対応でき、しかも施工性・品質も確保できるような繊維(BCファイバー)の開発を行った。

法面吹付専用繊維「BCファイバー」

 BCファイバーはポリプロピレン製の法面吹付専用繊維(l=30mm)である。
 品質面では、SFRC並みの強度特性を持ちながら、鋼繊維の悩みでもあった錆びや突起が解消される。
 また、施工面においてもBCファイバーは優れている。繊維の分散性が非常によく、繊維を現地でアジテータトラックに直接投げ込み攪拌しても、繊維がだまにならない。管の閉塞の心配がなくなることで、施工能率が向上し仕上がり面も平滑になった。さらに、繊維が柔らかくなり、第三者の繊維接触に対する安全性も向上した。

脈動のないスムーズな吹付
ニューレスプ工法による補修・補強完了

 ポンプ圧送エア併用方式は、湿式エア吹付方式では手の届かないような長距離へ、材料圧送ができるところが魅力の吹付方式。現場の施工条件に合わせて、近距離では湿式エア吹付、長距離ではポンプ圧送エア併用と、方式を使い分けることで、ニューレスプ工法がより身近になる。

 今後もニューレスプ工法を通じて、社会資本ストックの補修・補強に貢献していきたい。

関連情報

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