技術情報

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トンネル覆工背面の空洞充填工事

パフェグラウト工法

発注者からの課題

 かつて矢板工法で施工されたある導水トンネルでは、覆工と背面の地山との間に残った空洞によって変状をもたらす危険を抱えており、トンネルの耐久性向上を目的とした背面空洞充填工事が必要となりました。
 しかし、このトンネルの径は約2mしかない狭隘な施工環境、しかも延長が非常に長いために、坑外で製造した充填材を、坑内で中継を設けずに1200mも圧送しなければなりません。それに加え、坑内では多量の湧水。水中でも分離しない性質を持った充填材でなければなりません。このような状況下においても、確実に空洞を充填する施工を求められました。

日特建設の提案

 当社独自の空洞充填工法である「パフェグラウト工法」を提案しました。この工法で用いる充填材は、非常に高い水中不分離性能を発揮する(写真上)ので、湧水下でも確実な充填ができました。

 しかし、問題は長距離圧送。実験レベルでは1000mまでの圧送を確認していたのですが、1200mは未知の領域でした。そこで、構造物補修・ダムグラウチング等の専門スタッフが集結、現場で発生しうるトラブルを洗い出し、配管や流量制御等に関する実験を実施。パフェグラウト工法独自のコンピュータによる自動制御ミキシング技術(COGMAシステム・写真中)と、適切な配管のもと、充填材の品質を損ねることなく1200m圧送することに成功。このようにして、ゆとりある施工環境のなかで、無事工事を終えることができたのです(写真下)。

 材料・施工技術に高い潜在能力を持つパフェグラウト工法。この現場で得たノウハウを糧に、現在もさらなる長距離圧送への挑戦を続けています。

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