つるかめソイル工法
現地の土を主体とした長期耐久性に優れる法面緑化工法
工法概要
法面緑化の生育基盤材には、一般的にはバーク堆肥などの有機物が用いられています。
つるかめソイル工法は、土(無機物)を使うことで、様々なメリットに溢れる植生基盤吹付工法です。
土(無機質)を使うことのメリット
1.長期耐久性
分解されない土(無機質)100%を生育基盤とするため、従来のバーク堆肥(有機質)主体の生育基盤と比較して、長期耐久性に優れます。
(一般的にバーク堆肥は時間とともに分解消失するため、従来工法では植生が衰退することがあります)
2.環境汚染の防止
バーク堆肥からの養分の流出による環境汚染を防止します。
3.CO2排出量の削減
材料(土)を現地調達するため、材料の工場生産・包装・運搬工程が減り、CO2排出量を抑制します。
4.材料価格の安定
従来工法で使用するバーク堆肥はバイオマス燃料として注目され始め、入手が困難となり、価格が高騰しています。
この点、土を使用する当工法では、材料価格の変動リスクが小さいです。
適用範囲
◆地山条件◆
切土・盛土で生じる、土砂〜岩盤法面
従来の有機質系植生基材吹付工と同様に、地山条件に合わせて3〜10cmの厚さで生育基盤を造成します。
◆勾配条件◆
1:0.5より緩い勾配
ラス金網や専用ネットを基礎工として使用します。
◆材料条件◆
異物の混入が少ない掘削土砂(粒径15mm以上の異物混入割合が20%以下)
土の形状を保つ砂質土〜粘性土まで、広範囲な土が利用可能です。
※ミキサーで攪拌可能な性状の土であることが必要です。詳しくはお問合せください。
◆緑化条件◆
播種による急速緑化(従来の有機系植生基材吹付工と同様に、森林表土利用工・自然侵入促進工には別途対策が必要です)
養分保持のため、窒素固定能力のあるメドハギ(草本)を必須とします。
土の改良方法
土は本来、水を含むと粘性が生じるため、ホースによる空気圧送が困難な材料です。
つるかめソイル工法では、土に2種類の特殊材料(つるパウダー・かめパウダー)を混合し、スムーズな空気圧送を可能にします。
土の改良と効果 |
※かめパウダーには、吹付後の土の流出を防止する効果もあります。
標準材料配合(生育基盤材1m3当たり)
土 (掘削土砂) |
つる パウダー |
かめ パウダー |
接合剤※1 | 肥料※2 | 種子※3 |
---|---|---|---|---|---|
1600ℓ | 4.0kg | 0.8kg | 1.0kg | 4.8kg | 種子配合 による |
※1 高分子合成樹脂の粉末タイプ(液体タイプは使用しない)
※2 化成肥料50%・遅効性被覆肥料50%
※3 窒素固定能力のあるメドハギ(草本)必須
施工方法
現地で材料を製造し、連続作業で法面への吹付を行います。
吹付機には、材料を粒状のまま吹付けるために、乾式吹付機を採用しています。
なお、施工能率や施工範囲については、従来の植生基材吹付工法と同等です。
生育基盤材の品質
降雨試験の状況 | 構造測定吹付状況 |
【耐浸食性】
100mm/hの降雨条件で、浸食量0.18mm以下という高い耐浸食性が、試験結果より得られています。
【土壌構造】
空気が20%程度含まれた通気性のよい生育基盤です。
【硬度】
土壌硬度20mm程度で、植物の生育に最適な硬さです。
実績件数
2件(H27.3現在)
ダウンロード
つるかめソイル工法カタログ (401KB)
堆肥を使わない法面緑化カタログ(1101KB)
お問い合わせ先窓口
技術の詳細については、以下よりお気軽にお問い合わせください。