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Future

未来のふつうはふつうの技術では創れない

みなさんは日常に潜む「ふつう」について考えたことはあるでしょうか。
「蛇口をひねると水が出る」、「スイッチを押すと電気がつく」この毎日当たり前に感じている現代社会の基盤は自然につくられたものではありません。
多くの物流を可能にする道路や橋梁、電力を供給しているダムや送電網、水道の供給や大量の雨水を処理する上下水道など、私たちの生活における「ふつう」は建設業界で従事する人たちの技術と努力で実現されています。

私たちは、特殊土木分野で多くの実績と経験を積み重ねたプロフェッショナル集団として、技術力と信頼を基に、社会の未来を創っています。

日特建設が復旧に携わった災害を示した日本地図
  1. 2000.09東海集中豪雨
  2. 2009.07山口豪雨
  3. 2011.03.11東北地方太平洋沖地震
  4. 2011.07新潟・福島豪雨
  5. 2011.08紀伊半島豪雨
  6. 2015.09関東・東北豪雨
  7. 2016.08北海道豪雨
  8. 2016.04.14熊本地震
  9. 2017.07九州北部豪雨
  10. 2018.07西日本豪雨
  11. 2018.09北海道胆振東部地震
  12. 2019.10台風15号による災害
  13. 2019.10台風19号による災害
  14. 2019.10台風19号による災害

Feature

土木業界の救急救命医的存在

日本は災害が頻繁に発生する国です。普段見慣れた光景が、予期せぬ出来事によって一変することがあります。私たち日特建設は、そんな「当たり前」を守るために、目立たないながらも基盤を支える基礎工事に従事しています。
私たちの仕事は日々の生活の裏で静かに社会を支え、緊急時には建設業界の「救急医」のように頼りにされる存在です。それぞれの社員は、この責任を胸に誇りと使命感を持って取り組んでいます。これからも、災害時に最前線で活躍する企業として、その重要な役割を果たし続けます。

2020.07令和2年度市単独土木施設災害復旧事業(国) 152号道路災害復旧工事

2020年7月の梅雨前線豪雨により浜松市では道路沿いの山の斜面が崩壊し、巨大な石が道路近くまで到達しました。崩壊斜面下部には地域住民の主要道路である国道152号線が既存し、斜面崩壊の影響により全面通行止めとなりました。そこで浜松市から災害協定に基づき、発注された斜面崩壊対策工事を当社は担当いたしました。工事では、転落の危険がある不安定な転石をガンサイザーにより破砕しました。工事完了後の12月21日に国道は開放されました。

発注者:
浜松市天竜土木整備事務所
請負者:
小割工(破砕)
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2018.07.06九州自動車道 吉志地区のり面応急復旧工事(福岡県北九州市)

2018年7月6日の豪雨により、九州自動車道の新門司IC~小倉東IC区間の法面が崩落しました。当社はその仮設防護柵による道路の復旧工事を行いました。開通のための緊急工事であったため、工事は昼夜で行い、作業員の方々延べ170以上人に協力いただき、7月17日に道路の全面開放ができました。

発注者:
西日本高速道路株式会社
請負者:
仮設防護柵設置工
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2021.08名勝仙巌園 石積災害復旧工事(鹿児島県鹿児島市)

島津家別邸「仙巌園」は鹿児島にある日本を代表する大名庭園で、一帯は世界文化遺産に登録されています。令和元年 九州南部における大雨によって、名勝仙巌園附花倉御仮谷庭園の石積みで崩壊や孕み出しが発生、対策として景観に影響を与えない網状鉄筋挿入工 (SPフィックスパイル工法) で補強・復旧工事を行いました。

発注者:
仙巌園(島津興業)
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2021.08大雨により被災した国道の緊急復旧工事(島根県出雲市)

2021年8月中旬の活発な前線の活動に伴い、西日本各地で大雨による被害が発生しました。山陰地方の主要道路である国道9号においては地すべりが発生し、国道が通行止めになるとともに並走する JR山陰本線も運休となりました。当社は、緊急対策としての水抜きボーリングエ、ICT技術を活用したのり面保護工、鉄筋挿入工等を施工し迅速な復旧に貢献しました。

発注者:
国土交通省 中国地方整備局 松江国道事務所
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歴史・文化を守る

日特建設は、独自の高度な技術力を駆使して、日本の文化財や世界遺産などの重要な歴史的建造物の保全に大きく貢献しています。これらの場所は、日本の豊かな歴史と文化の象徴であり、その維持と保護は極めて重要です。日特建設の技術者たちは、これらの貴重な建物や遺跡を守るために、特殊な建築技術と保存技術を駆使し、ただ建物を建てるだけでなく、日本の歴史と文化を守るという責任ある役割を果たしており、その業務は単なる建設業を超えた文化的使命を担っています。
これらの活動を通じて、日特建設は日本の文化遺産を未来へと繋げ、世代を超えた価値の創造に貢献しているのです。

施工事例数:18

2022日建連表彰2022「土木賞」受賞プロジェクト

日建連では、1960年より建築分野のBCS賞の表彰が行われており、2020年度に「土木賞」が創設されました。これは、気候変動に起因する自然災害の激甚化に対応すべく、国土強靭化が喫緊の課題となる中、橋梁や道路、ダムといった「良質な社会資本」についてその功績を顕彰するものです。
日特建設は「土木賞」創設から4回連続で関係者として受賞しています。第3回土木賞では、受賞した12件のプロジェクト・構造物のうち、日特建設は以下の工事に携わっています。

千本ダム耐震補強改修プロジェクト
有形登録文化財に指定された築100年の水道専用コンクリートダムを、水の供給を続けたまま耐震補強
1918年3月に竣工した越流式直線重力粗石コンクリートダムである千本ダムは、現行の耐震基準(転倒)を満たしていませんでした。そこでダム天端から基礎岩盤に向けてPSアンカー工を施工し、堤体の耐震補強を行いました。
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2013.09清水寺法面復旧工事(京都府京都市)

2013年9月の台風18号の大雨により、世界遺産である清水寺境内の斜面が崩壊しました。2014年から2015年にかけ、地山補強土工やグラウンドアンカー工で崩壊斜面を補強し、ジオファイバー工法で覆う工事を行っています。これら草木が成長し、緑豊かな景観が戻ってきます。

発注者:
清水寺
概要:
地山補強土工、グラウンドアンカー工
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2011.03山本不動尊奥の院落石対策工事(福島県東白河郡棚倉町)

福島県にある山本不動尊では、東日本大震災の影響により、御本尊を安置している霊場 (奥の院)で、岩窟内部の小岩片の剥落による事故が懸念されていました。その落石対策工事を当社は担当しました。まず、3Dレーザースキャナ測量により断面形状の把握と施工面積を決定し、岩の隙間や亀裂に岩色着色したモルタルを充填し、削孔の振動による剥離落下事故を防止してアンカー削孔、ワイヤーロープ・ 金網設置して、落石対策工は完了しました。

発注者:
山本不動尊
概要:
落石防止網工
注文者:
藤田建設工業株式会社
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2015.05端島炭坑跡70号棟埋戻し工事(長崎県長崎市)

2015年に世界遺産に登録された通称 軍艦島(端島)での旧端島小中学校の下部の埋め戻し工事です。築60年で老朽化も進み、なおかつ世界遺産であるため、現状を維持して傷つけないように慎重に施工をしました。また施工する学校,建物だけでなく、クレーン等の施工機械が載る運動場、護岸などすべてに気を配り施工しました。そのほか工事では土地が軟弱であるため、空洞埋め立てに重い土を用いないことや、建物の崩壊にも気をつけて施工を行いました。

発注者:
長崎市
概要:
エアモルタル充填工、可塑性エアモルタル充填工
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大規模災害の復興

日本では人の命を奪ってしまう大きな災害が時折発生します。大切なのは迅速な復旧、復興を行うことで人々の暮らしや生活環境を守ること。
日特建設は、大規模災害で多くの実績を残し国土強靭化を目指し施工を行っています。

2011.3.11大槌町安渡地区復興工事 (岩手県上閉伊郡大槌町)

2011年3月11日に発生した東日本大震災により大きな被害を受けた大槌町の復興工事として、インフラの整備、 土地区画 整理事業 (170戸)、高台への防災集団移転促進事業 (91戸) 等を行い、 2019年9月に完了しました。

発注者:
岩手県上閉伊郡大槌町
請負者:
前田建設工業 日本国土開発 日特建設・バスコ・応用地質共同企業体
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2016.4.14阿蘇大橋地区斜面対策工事 (熊本県阿蘇郡)

2016年4月に発生した熊本地震で被災した斜面や道路の復旧工事を実施しました。写真は阿蘇大橋地区で斜面の整形、侵食防止のための植生工、 落石等を防止するための密着型安定ネット工および高強度ネット工を施工しました。

発注者:
国土交通省九州地方整備局 熊本復興事務所
請負者:
株式会社熊谷組
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2019.9.14災害関連緊急治山工事 (北海道勇払郡厚真町)

2018年9月に発生した北海道胆振東部地震で発生した大規模土砂崩れの復旧工事を実施しました。 上部はのり枠工、下部は植生工を施工しました。

発注者:
北海道胆振総合振興局
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新たな技術の開発

日特建設の自技術を支える技術センター。埼玉県蓮田市にある技術センターは、法面技術や地盤改良技術をはじめとするさまざまな技術開発を推進しています。ここでは様々な研究設備を駆使し、持続可能な社会構築に貢献する新しい技術の開発に日々取り組んでいます。
環境に優しい材料の探求、エネルギー効率の高い建設方法、災害リスクを軽減するための革新的技術など、幅広い分野での研究が行われています。また、技術センターは、産学官連携のプロジェクトにも参加し、最新の研究成果を実践的な形で社会に還元していることも特徴です。
私たちの技術は、より安全で快適な生活空間を創造し、未来の建設を支える礎となっています。

Technology.01吹付のり面の省力化技術「スロープセイバー」

「スロープセイバー」は、吹付アタッチメントとバックホウを用いたロボット施工により、大幅な生産性の向上が期待できるモルタル吹付工法です。従来の人力による吹付作業と比較して大幅な工期短縮、省人化が期待できます。また、LiDARを用いたのり面施工支援システムを使用することで、リアルタイムでの吹付厚計測が可能です。

● 人力によるのり面作業が不要
吹付作業は機械化施工となるため、墜落転落災害の危険があるのり面作業は必要ありません。

● 40~70%の工程短縮。
大容量コンクリートポンプを使用することで、人力施工の約3~5倍の吹付施工能力となり、大幅な工期短縮を実現できます。

● 50~80%の省人化
機械化とICTを用いた集中操作で、吹付中の施工人員は3~4人となります。工期短縮の効果も相まって大幅な省人化が実現できます。

●施工管理書類の自動作成 (開発中)
出来形のリアルタイム計測結果から施工管理書類を白動作成をできるよう開発中です。

Technology.02のり面の3次元モデルの活用

ドローンで撮影した写真から、のり面の3次元モデルを作成します。これをPCソフト上で操作することにより、のり面に登ることなく現地調査や出来形を確認したり、任意の断面線や展開図を作成することが出来ます。

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Technology.03月面探査手法の地上工事での活用

スクリューオーガの掘削抵抗を使って地盤強度を推定する技術を、月面探査だけでなく地上の工事でも応用することを目的に研究を行いました。当社の杭基礎工事の技術を活用し、地上工事への応用のための試験を実施しました。
※本研究は、JSTイノベーションハブ構築支援事業に基づくJAXA宇宙探査イノベーションハブ共同研究「アースオーガ掘削情報による地盤推定のシステム化検討」として、日特建設・立命館大学・JAXAが共同で実施しました。

技術発表会

日特建設では年1度、若手社員を中心に技術発表会を開催しています。技術発表会は、各現場での技術的工夫や困難な技術的課題を解決した事例等を全社で共有・水平展開することにより、技術に関するコミュニケーションの強化を図ることを目的としています。
これらの取り組みを通じて、安全で快適な生活空間の創造と未来の建設を支える技術の発展に貢献していきます。