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吸出しを受けた護岸壁の空洞充填工事

パフェグラウト工法

発注者からの課題

 海岸沿いに位置する護岸壁の背面が、吸出しを受けて空洞化したため、応急対策として空洞充填工事が計画された。その中で空洞充填工法の採用条件として、
1)空洞充填に用いる材料の「耐海水性」が確認されていること、
2)施工場所近傍にヤードがないため、材料プラントから450m材料圧送ができること、
の2つが提示された。

施工対象となった海岸沿いの護岸壁
護岸壁背後が吸出しを受けた状況

日特建設の提案

 パフェグラウト工法(3号配合・設計強度24N/mm2)が、耐海水性を確認済ということがポイントとなり、採用されることになった。
 しかし、圧送距離の課題が残る。パフェグラウト工法では、基材と可塑材の2液を別々に圧送し、先端で混合・注入するが、3号配合は可塑材の圧送性が低く、このままではプラントから施工箇所まで材料圧送ができない。そこで、可塑材の圧送性改良に取り組み、室内実験等による事前検討で、500m程度まで圧送可能なまでに改良を行った後、現場に投入した。

パフェグラウト圧送状況

 結果的には、施工計画の変更で配管長は150mに留まったが、注入材料の流量・圧力をCOGMAシステムで自動制御しながら、基材と可塑材の2液を150m確実に圧送し、施工箇所で混合、充填する作業を確実に進め、無事施工を終えた。
 水中不分離性のおかげで、注入材料が水たまりに溶け出すこともなかった。また、既設の水抜き孔養生は、施工時に土嚢袋で塞ぐだけ。後で外すと材料はすでに自立していた。パフェグラウトの持つ可塑性のなせる業だ。

パフェグラウト充填状況
土嚢を外すと充填材が自立している

今後も、どこかで誰かのピンチを救う「パフェグラウト工法」であり続けたい。

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