国土跡「御土居」修復 ジオファイバー工法で景観に配慮

繊維吹き付け自然に近づくツツジなども植樹

昨年の集中豪雨で一部が崩れた京都北区の国の史跡「御土居(おどい)」が、景観に配慮したジオファイバー工法を用い、十三日までに復旧された。

御土居は昨年六月の豪雨で幅約30m、高さ最大約20mにわたって土砂が崩れた。市文化財保護課は三月から復旧に着手し、「連続繊維複合補強工法=ジオファイバー工法」と呼ばれる新しい工法で作業を進めた。砂とポリエステル製の繊維を高圧で斜面に吹き付けて土砂を固定し、さらに草の種を混ぜたたい肥で前面を覆う工法で、コンクリートやブロックなど人工物を使う従来の工法よりも自然に近い景観となる。斜面にはツツジやモミジ、ツバキなど八種類の樹木も植え、時間の経過とともに自然に近い姿に戻るよう配慮した。

御土居は、豊臣秀吉が1591年(天正19)年、外敵の来襲や河川のはんらんから洛中を守るために築いた土塁で、当時は延長約22.5kmあった。現在は、北区のほか上京区、中京区に計九ヶ所にその一部が残っており、1930年(昭和5)年、国の史跡に指定された。今回、復元した御土居は洛中を囲んだ北西の角に当たる。

市文化財保護課は「御土居の歴史的な景観を壊さないよう、文化財の修復としては今回初めてこの工法を使った。今後も史跡の復旧にこのような工法を採用したい」と話している。


京都新聞
2001年9月14日より